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熊本地震報道についての中間まとめ

ようやく余震が少なくなってきました
とはいうもののなんだか不気味な気配はなくなりません。
日本のどこでも大地震がおきてもおかしくない時期になったのだと思わされます。
熊本地震では、地震が落ち着いたころからいろいろマスコミの不祥事やらなんやらが出てまして、
なんとも情けないです。
そういうのも含めまして、今回の地震報道について、中間的にまとめてみたいと思います

  1. 初動時期の報道
14日の地震、16日の地震と、巨大地震が相次ぎ、テレビでは各地の震度を伝えるとともに被害の状況が数日間伝え続けられました。
今回の地震は内陸の直下型で地震が起きてから緊急地震速報が鳴るという
緊急地震速報の限界が露呈したわけですが、
被災地の方には地震発生から数日間、テレビの画面はどう映ったでしょうか。

今回は緊急地震速報がほとんど役には立ちませんでしたが、
それでも画面に速報が出ることで身構えます。
NHKの場合はどんな番組をしていてもアナウンサーが画面に出て避難や警戒を呼びかけます。
ただ、民放の場合は、エリアごとにしか緊急地震速報は出ないので、
東京からの生放送をしていても、スタジオのキャスターが地震に気づくのは震度速報が出てからです。
この先、南海トラフ地震が起こったとして、NHKを見ている人と民放を見ている人で、避難の速さに差が出て、命を落とす人が出るのではと心配になります。
東日本大震災のときもそうでしたが、地震の警戒を呼びかけるまでの時間は各局で相当差がありました。
もちろん、テレビだけが情報ではないのですが、情報格差はできるだけ少なくしなければいけません。

初動段階で言えば、発生後の情報も各局によってかなり差があります。
けが人の数とかはどうでもいいんですが、ライフラインや避難所の情報もかなり錯綜して、見てるチャンネルによってどっちが本当なのかわからないこともありました。
大災害の折には民放はゆく年くる年スタイルでひとまず全局同じ放送をしてはどうかと思うのですが。
各局取材をすればいいとは思いますが、出口は一つ。もちろん、何日もではなく、発生後時間を決めてやればいいことです。
一年ごとにネットワークで幹事を決めておき、発生時にはスタジオは基本被災地の局でそれを東京や大阪がフォローする。
まず必要なのは被災した人が生きるための情報、けが人の数やメカニズムは当面必要ありません。
なので東京などが支援しながら、地元局、もしくは地域の拠点局でまずはやるべきです。

初動段階の報道で問題にされるのはヘリ。
阪神淡路大震災ではヘリの音で生き埋めになった人の声が聞こえず、救助を阻まれたということがありました。
それをうけて、報道ヘリは高倍率で安定したカメラを乗せ、高度も高く飛ぶようになったと言われています。
ただ、これ各局で飛ばさないといけないものかと。
いくら高度を高くしたとしても、同じところにいくつもヘリが飛んでいるのは無駄です。騒音もゼロにはなりません。
自衛隊のヘリからの生中継映像を出してる局もありましたが、ほんとそれで十分なくらいです。
先ほどの統一放送をするのであれば、生中継のヘリも民放で集約できますし、騒音もかなり減らせます。
ウチだけがいい画をとるというよくわからない競争意識で被災地がおいてけぼりの報道が続けられています。
大災害の時の特例ということであればスポンサーも納得するでしょうし、
とにかく初動は被災地の命を守るための放送だということを大事にしてほしいと思います。

2.マスコミの人たちの問題行動
関西テレビの給油割り込みや、ミヤネ屋焼き芋生中継の子どもズブ濡れとか、TBS生中継中に怒鳴り込みとか、
なにかと問題行動が目立っています。

テレビの番組的な視点で考えると、初動の場合は次々と被害状況が入ってきて、伝えることもいくらでもという感じなのでしょうが、
少し落ちついてくるといわゆるテレビ的な映像は少なくなり、中継するにしても避難所くらいしかないという判断があるものと思われます。
だから、中継するネタにしても、被災者全体に届けなくてはいけないものではなく、焼き芋ボランティアのような避難所でこんなことが行われています、という東京的には画になるけども、被災地個別の話題で他の被災者にはなんだかよくわからないネタになってしまってます。

東京のプロデューサーを納得させるためのネタ探しなんてする必要ないし、
まさに視聴率しか見てない番組作りであることは言うまでもないです。

1週間や1ヶ月経過しても、熊本や大分の被災者に必要な情報をどんどん届けないのであれば、害悪でしかありません。

そういう情報はネットを降りた後のローカルに任せておき、東京は被災地の話題を拾って視聴率稼げ、というのならば震災なんて扱うべきではありません。
テレビ的にはネタにならないようなことでも、全国の人に伝えるべき情報はまだまだあるはずです。
それを画が弱いとか、地味という理由で落とすのは、被災者を見殺しにする行為だとも思います。

さらにスタジオのコメンテーターなんて大変ですねーしか言わないんだし、キャスターも1日も早い復興が望まれます、なんておきまりのセリフばかり。
ワイドショーで震災扱うのはやめたほうがいいと思ってます。
直後は特番になるし、ニュースできっちりやればいいんだし。
さらに避難所の中に入ってカメラ回すのもいいかげんやめないといけないです。
そんな画を撮ってる暇があれば、細かなニーズを聞いて支援につなげるべき。
プライバシーでいえば、生中継するときはそのまま顔が写っているのに、
次に資料として使うときはモザイクありになります。
生中継だから、顔をそのまま写していいのでしょうか。
もちろん、理屈はつけてるんでしょうが、生だろうがなんだろうが、映りたくない人はいます。
全体にすみませーんと一声かけただけで一人ひとりに承諾なんてとってないでしょ?


3.東京や大阪からの報道応援
ガソリン給油割り込みに象徴されるのですが、
中継車が足りなくなるということで、大きな系列放送局から中継車やスタッフが応援に回ります。
その際にガソリン給油のようなことが起こったりするわけですが、
擁護するつもりはありませんが、中継時間に間に合わないような事情があったかもしれません。
だからといって割り込むようなことは許されないし、勘違いも甚だしいです。

勘違いというのは、被災地のことをテレビに出してやってるという意識が強いのではないかということです。
先日のブログにも書きましたが、
TBSの報道特集は、酷かったです。
東京から取材に来てやってるという態度で街を歩く日下部キャスター。
あまりにも尊大な態度に呆れてものが言えませんでした。

まとめます
あれだけスタッフを動員するのなら全部の避難所に人をおいて情報拾ったらどうなんだ。
それぞれ事情が異なる避難所の困り事、ニーズを全て拾ってけよ。
画がない情報でも報道すべき事はいくらでもあるぞ。
珍しい品目の炊き出しを中継して満足してんじゃない。

まだまだ熊本大分地震の震災報道は続くだろうし、
今後も日本では大地震はおこるだろうこら、報道もしなければいけないです。

どうか次の大地震までに報道の体制を協議して整えてもらいたいです。

引き続きよろしくお願いします