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言葉狩りの件

先日、市原悦子さんが出演のあさイチで、不適切な発言があったとかで、有働さんが謝罪してどうのとかいう話題がありました。

市原悦子さんの発言で、かたわ、とか、毛唐とか、いわゆる、発言を自粛すべき言葉があり、それに対して謝罪があったということです。

いわゆる差別用語については、まとまった文献は少ないのですが、
私が知る資料に、その名も差別用語、という題名の書籍があります。
大学の放送関連の活動で、使っていたもので、そのころは本文が目的というよりは巻末についていた付録の、
NETが定めた放送上自粛すべき言葉集でした。
NETというのは現在のテレビ朝日の前身、全国朝日放送の前身、日本教育テレビです。
放送局が定めたこういう資料はなかなか外に出るものではなく、大学の放送クラブにとっては貴重なものです。
なので、大事にさせていただいておりました。

ちなみにこの書籍、普通に書店で購入できるものではなく、大学生協で買ったもので、編集の主体は推して知るべしというところです。

20年前の当時の私の感触ですが、
放送上不適切とされる言葉には
大まかに差別的な言葉と性的な表現によく見られる下劣な言葉の2種類があって、
差別的な言葉は規制が強くなっている反面、性的な言葉に関してはゆるくなっているのではと感じていました。

今でもですが、女性器の名称についてはかなり厳しい規制がありますが、男性器については、だんだんゆるくなっていたり、その他、性癖や性行為の具体的な言葉についても、かなりゆるく発せられていると思います。
というように性的な言葉はだんだんおおっぴらになっているのは間違いないです。

一方、差別表現です。
これはだんだん厳しくと書きましたが、
昔から厳しいのがより厳しくといったほうが正しいかもしれません。
言葉としてはむかしの映画やドラマでかたわ、とか、めくら、という言葉が出ていて、それが使えなくなっているという意味では厳しくなっていますが、
聞き及ぶ限り、オンエアにでない現場ではもっと厳しいことがあったようです。

スタジオでフロアディレクターがカウントダウンするときに、指で数を出すんですが、4の時は指を出さずないというルールがつい最近までありました。
なぜ4を指で出してはいけないのかは、
調べていただければわかりますが、いわゆる部落差別と関わりがあります。

そういうこともあったりしながら、自主規制はどんどん強くなって、言葉狩りの様相を呈してくるわけです。
かたわ、めくら、びっこ、というような身体の障害を示す言葉はことごとく自粛対象となっていき、
百姓、土方のような職業の言葉も対象になりました。

そういう風に自粛すべき言葉が増えて行くと声を上げる団体には追い風となる訳で、
いろんな分野にも広がっていきます。

例えば妻を表わす、奥様、奥さんっていう言葉、女性の配偶者を示す言葉ですが、これにクレームがつくんです。
奥さんというのは大奥のごとく、家の奥にいるという意味なので、社会進出をする既婚女性にいうのはおかしいという理屈です。

言葉というのは言霊という表現もあるように、大切なものです。
ですが、言葉尻という表現もあって、表面的な言葉を捉えたのでは間違いも起こります。
差別用語とされている言葉が本当に差別用語なのか?
文脈で差別的に使われていた言葉が短絡的に差別用語とされてはいないか?
本当に差別的な言葉を見逃していないか。
是々非々で検証しないといけないと思います。

あと差別用語言葉狩りが利権になっていないかもよく調べないといけません。